意外と知らない歯周病が全身に及ぼす影響とは?

〇歯周病とはどんな状態なのか?

歯周病とは、細菌の感染によって引き起こされる炎症性疾患です。歯の周りの歯ぐきや、歯を支える骨などが溶けてしまうことがあります。

歯と歯茎の境目の清掃が不十分になると、 そこに多くの細菌が停滞してしまい歯肉の辺縁が炎症を起こしてしまいます。赤くなったり、腫れたりしますが痛みがないことも多いです。この症状がさらに進行すると 膿がでたり歯が動揺したりしてきます。最後には歯を抜かなければならなくなってしまう病気です。

 

〇歯周病の重症化による全身への影響

・歯周病と誤嚥性肺炎

日本人の死亡原因の3位である肺炎ですが、 亡くなる方の多くは75歳以上の高齢者の方です。 その一因となっている肺炎に「誤嚥性肺炎」があります。

名前の通り誤嚥によっておこる肺炎なのですが、 唾液や食べ物などと一緒にお口の中の細菌が肺に入り込み炎症をおこしてしまいます。 誤嚥性肺炎の原因となる細菌として口腔常在菌、特に嫌気性菌が考えられており、 その多くは歯周病菌であると言われています。

 

・歯周病と糖尿病

糖尿病によって引き起こされる高血糖の状態が続くと 白血球の働きが低下し、細菌を攻撃できなくなります。 その結果、感染症にかかりやすくなります。

歯周病は、細菌に感染することによって歯肉が炎症する病気です。 糖尿病の人は歯周病を併発しやすくなってしまいますが、 その歯周病を治療すると血糖値が下がるという報告もあります。

 

・歯周病と心臓病

歯周病が悪化して、歯周病菌が血液中に流れ込み、 心臓の内膿に歯周病菌が付着すると、 心内膜炎という心臓病を引きおこすことがあります。 これは死に至ることもある大変危険な病気です。

さらに、歯周病が狭心症や心筋梗塞などの心臓病のリスクを高めることもわかってきました。

 

・歯周病と骨粗鬆症

骨粗鬆症にかかっている人は歯周病にかかりやすく、重症化しやすい傾向にあります。 また歯周病によって歯を失うと、かむ能力が低下して、 食物の消化吸収力の低下を招きます。

その結果、ビタミンDやカルシウム不足、低栄養となり、骨粗鬆症を悪化させることがあります。

 

・歯周病とメタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームにも歯周病との関わりがあると言われています。 体に脂肪が溜まりすぎると、動脈硬化を促進させてしまいます。 脂肪細胞から出てくるサイトカインと同じ物質が歯周病でも出てくるため、 歯周病がメタボ関連の病気である糖尿病を悪化させると考えられています。

 

〇まとめ

ご紹介させて頂いたように、歯周病は様々な病気と関係性があり 全身に影響を及ぼしてしまう病気です。

健康的な生活を送るためには、早期の発見と治療が必要になります。

当院では、歯周病治療や早期発見のための定期検診を行っております。

気になることがございましたら、お気軽にご相談下さい。 ご予約のお電話をお待ちしております。

 

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