訪問歯科で介護保険は適用される？気になる治療費について

訪問歯科は、ご自宅や施設等普段の生活の場で受診できるということが最大のメリットです。

特に長時間じっとしていることが難しかったり、治療自体が困難であったりする方にとっては精神的な負担を軽減することも期待されます。

また、外来診療のように複数人の患者様を順番に治療するのではなく、お一人のためだけに処置を行うので安心して治療を受けることができます。

では、そんな歯科医師が訪問する場合の治療費についてご説明します。

簡単にお伝えすると、訪問歯科診療は通院に比べると１回あたり最大1,600円程度高くなります。（※医療1割、介護1割の場合）

ではなぜ訪問歯科診療をした場合の費用の方が高くなるのでしょうか。

実は、処置や検査で通院する場合も訪問診療の場合も、基本的には同じ保険点数となります。保険点数とは、各医療行為に紐づけられている点数のことで、１点10円として計算され、その総額のうちそれぞれの保険証の負担割合によって支払額が決定する仕組みです。

どこで外来診療と訪問診療の治療費に違いが出てくるのかというと、歯科訪問診療料という算定項目の有無です。歯科訪問診療料には大きく分けて３通りあります。

同一日に１つの建物で１人だけの診療を行った場合は「歯科訪問診療料１」（1,100点）。

同一日に１つの建物で２人～９人 の診療を行った場合は「歯科訪問診療料２」（361点）。

同一日に１つの建物で 10人以上 の診療を行った場合は「歯科訪問診療料３」（185点）。

このように、歯科訪問診療料は１回の訪問診療・１つの建物で何人の診療を行ったかによって保険点数が変わってくるのです。

歯科訪問診療料にプラスして、介護認定を受けている方は介護保険からも居宅療養管理指導料という負担金がかかります。居宅療養管理指導料は、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・病院などへ訪問する場合は発生しませんが、居宅・有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームなどへ訪問する場合は発生します。これは１回の訪問で最大509点の算定となり、１か月に上限を２回として算出されます。

これらをまとめると、歯科医師が訪問する場合、通院でかかる費用＋歯科訪問診療料＋居宅療養管理指導料が発生する分、訪問歯科治療のほうが高くなるのです。

次に、歯科衛生士が訪問する場合の治療費についてご説明します。

歯科衛生士はご自宅や施設へ訪問し、ブラッシングの指導や口腔機能の回復・維持を目的とした実地指導を行いますが、訪問先が居宅療養管理指導料算定対象の施設（居宅・有料老人ホーム・サービス付き高齢者向け住宅・グループホームなど）の場合、介護保険の居宅療養管理指導として訪問、算定対象外の施設（特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・病院など）の場合、医療保険の訪問歯科衛生指導として訪問します。歯科衛生士が訪問するときも、歯科医師の訪問時と同様、人数によって保険点数や介護単位がやや変動しますが、だいたい１訪問あたり300～360点となります。

ここまで述べたものは、すべて保険算定項目となります。

ただし自費診療のご要望がある場合は、保険適用外で処置を進めることも可能です。

通院する場合には発生しない保険点数が訪問歯科診療において発生してくるとご説明しましたが、それに加えて交通費や出張費を実費請求することが認められています。しかし当院では、交通費や出張費等の諸経費は一切必要ありませんのでご安心ください。

今回は訪問歯科診療についてご紹介しましたが、当院でも高齢者の方や体が不自由な方などの通院が困難な方を対象とした訪問歯科診療に力を入れています。訪問歯科診療が初めてで不安な方については、担当スタッフによる無料相談、無料検診もご用意しております。